2021年04月21日 言い回しを少し修正
MSX2の主に低価格機種以降で多く搭載されたハイブリッドIC(HIC)、ミツミ製「EMC-NX0039」の回路図をアップする。
このHICの機能は下記の通り。
・RGB-NTSCエンコード(CXA1145M)
・音声出力アンプ(PSG3ch+1ビットサウンドポート+スロット1,2の音声入力をMIX)
・外部音声入力を上記回路でMIX(未使用)
・リセットミュート・ポーズミュート
・カセットインターフェイス(CMT)入出力アンプ、リレー制御
このHICはSONYとPanasonicの下記機種で採用事例がある。
・SONY
HB-F7 ?(未確認)
HB-F1IIHB-F1XD
HB-F1XDmk2
HB-F1XDJ
HB-F1XV
・Panasonic
FS-A1MKII(FS-A1MK2)
FS-A1F
・Kawai
KMC-5000(Panasonic FS-A1F OEM)
細かい点だが、SONYとPanasonicでは各社内での発注部品番号が異なることから、HICの左上に下記のようなシルク記載がある。
SONY Parts No.:1-464-877-11
Panasonic Parts No.:DAMCNX0039XT
回路図詳細は下記回路図画像をクリックしてPDFを参照のこと。
なおソニーのHB-F1XDサービスマニュアルにもこのHICの内部回路が記載されているが、今回作成した回路図では下記の点が異なる。
1) 電源、GND取り回しの0Ω抵抗(ジャンパー代わりとして使用されている)も掲載
2) HIC_C26が穴挿入部品を表面実装したものと表面実装部品(SMD)に変更されているものの記載。これについては後述する。
3) 先のサービマニュアルと実際のHICとではHIC_R19とHIC_C14の接続位置関係に違いがみられる点
このHICはバージョン違いでC26が穴挿入部品を表面実装したものと、設計変更が入りC26用の表面実装パッドを設けて表面実装部品搭載となったものがある。下記画像の黄色で囲った部分が異なり、違いを見分けることができる。
上の画像は電解コンデンサ3つをタンタルコンデンサに交換し、今後二度と液漏れしないようにした後のもの。
タンタルコンデンサの故障モードは短絡なので、できればヒューズ内蔵タイプを使うのが望ましい。
気化した電解コンデンサの電解液のせいか、ICの捺印が消えてしまったため画像編集で文字を記載している。
2020年06月21日追記
前述のようにソニー向けとパナソニック向けではHICのシルク表記が異なることを記載していたが、HIC_R32,HIC_R33はソニー製品向けでは220kΩ、パナソニック製品向けでは150kΩであることがわかった。これらは各スロットからのサウンド出力をMIXする際の抵抗。
両者製品ではサウンドの出力レベルが異なると言われているが、それに関連しているものとみられる。
両者製品ではサウンドの出力レベルが異なると言われているが、それに関連しているものとみられる。
まだ回路図はこのことが記載されていないのでご注意。
さらにQ4の2番ピンはA_GNDではなくD_GNDへ接続されている。
これらは次回の回路図改訂で記載予定。
・更新履歴
2020年04月19日 PDF Rev.01 新規作成(ブログアップロードは5/19)
2020年05月21日 PDF Rev.02 ページ追加し忘れていた部品配置図を2ページ目に挿入
2020年06月03日 PDF Rev.02(変更無し) ブログ内容追加 HB-F7にも採用されているかもしれない(ただし未確認)ため、念のため記載とHIC画像差し替え、電解コンデンサ液漏れについて記載。
2020年06月03日 PDF Rev.02(変更無し) ブログ内容追加 HB-F7にも採用されているかもしれない(ただし未確認)ため、念のため記載とHIC画像差し替え、電解コンデンサ液漏れについて記載。
2020年06月03日 PDF Rev.02(変更無し) ブログ内容追加 HIC_R32,HIC_R33の抵抗値がパナソニック向けとソニー向けでは異なる件