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 三洋電機製プリンタ一体型MSX2 PHC-77(WAVY77)の回路図等解析結果を公開する。

 暫定公開のため、まだ抜けているところやおかしいところ、解析した結果で疑問点などもある。おそらく勘違いもあるものとみられる。

 例によってこの解析結果は無保証なので注意。
 今後も修正しレビジョンアップしていく予定。
 パーツリストが作成されていないので今後追加予定。

 一番の疑問点、SLOT BにはなぜかSLT3-1の拡張スロットが割り当てられている。これではSLOT Bに拡張スロットを接続できないのではないかと…?
 MSX-WRITE搭載などでどうしても基本スロットを接続することが出来なかったのか…?

 内蔵ソフト(MSX-WRITE初代)のON/OFFスイッチ回路は、内蔵ソフトが動いている状態で切り替えると暴走するのではないかと思われる怖い回路になっていた。

 スロットのカートリッジ検出回路は、このままでは短絡になるのではないかと思われる回路になっている。電源が心配。

 プリンター基板にもZ80が搭載されているので、プリンター基板のZ80をサブCPUに使うなどの改造や、プリンターポートのデータバス双方向化、外部からのプリンターデータ入力ポート増設も考えられる…が、CPUパワーが貧弱なので、今となっては別のCPU積んだ方が有用かな?

 FDCはFD179x系の富士通製MB8877Aを搭載。このFDCはSONYなどが主に採用していたが、Nationalブランド時の松下製MSXでも使われていた気がする。その後、PanasonicブランドではNECのuPD765系FDC(東芝のTC8566もuPD765系)に移行した。
 三洋はずっとFD179x系を使っていた様子。


●回路図(Circuit Schematic)
 ・SANYO MSX2 PHC-77 Schematic (PDF) Rev.02 暫定公開板

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各基板ごとの回路図 画像は縮小表示例で、詳細はPDFを参照
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基板外形図・部品配置図 画像は縮小表示例で、詳細はPDFを参照

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三菱電機製ゲートアレイ M60011-0109FP

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文字が消えかかっているが、S1985 MSX-SYSTEM II

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V9938 Ver.C

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MSX-WRITEが入っていると思われるMN234001TTA
プリンター基板側に実装されている

 汎用入出力ポート(ジョイスティックポート)1,2はそれぞれいくつかの線が断線していた。基板側のコネクタはネジ留めされていないので、挿抜時の応力は全てはんだ付け部分やその周辺にかかり、繰り返されることで断線したものとみられる。おそらくこの解析をしないと気づかないままだっただろう。

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赤い矢印の部分がジョイスティックポートのはんだ付け部周辺の断線箇所

 この基板のIC/LSI周辺はダミーパターンが多くある。三洋の設計品の特徴なのか…?多くは未使用端子のものだが、一部は使用している端子でも並列でダミーパターンが伸びているものがみられた。クロストーク防止などでGNDに平行してこういった例はみられるが、大して高速バスでもない普通の信号線では珍しい気がする。

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ダミーパターンの例


 参考資料として、下記リンク先にはMSXのカタログが多数掲載されている。
 高解像度の画像や全ページあるとなおいいんだけれど…



 手持ちの書類等は高解像度スキャンしてどこかにアップロードしたい。
 でも時間がなかなか…。

・2017年04月11日 メモ追記(以下)
 FDDの形番号が間違っていたので次回修正予定(→Rev.02で修正済みおよびFDDのラベル考察記載)。
 FDDの形名は意図的に表示されていない様子(東芝のFDDは、ND-xxxxというのがある)

・2020年08月04日 メモ追記(以下)
 IC401,IC402の8番ピン(GND)が「16」と間違って記載されている。次回の改訂で修正予定。

KEYWORD:MSX2 三洋 SANYO PHC-77 WAVY77 プリンタ一体型 基板 PCB 回路図 Schematic V9938 MSX-SYSTEMII S1985 MITSUBISHI GATE ARRAY S60012 637101 M60011-0109FP

 掲題とは関係ないけど、
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MSXマークの入ってないV9938。アーケードゲーム基板(麻雀系,ニチブツ)でLDなどの画像と合成したりスーパーインポーズ機能が使われていた

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同V9958。日本ビクター(JVC)のビデオタイトラー JX-T800に実装されていたもの

 以前からヤマハのLSIパッケージについては2種類以上あることを確認してはいたが、パッケージが異なる件(23-01-2014, 20:39 時点の書き込み)で、リンク先には日立やシャープに製造委託されたような記述が…本当なんだろうか?

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 さて本題。
 下記リンクによると、最近になってMSX-VIDEO(V9938)のコプロセッサ、V99C37が採用された事例が判明とは…。
 おまけにPanasonic以外のturboRの事例とか。
 というか当時のMSXマガジンとかソフトのことばかりでハードの記事とか少なかったし、節穴だったんじゃないだろうか。


 V99C37は100ピンQFPだったとは…結構大きいな。28ピンSDIPくらいの規模かと思ってた。
 先のサイトではVideo Display Controllerって書いてあるが、おそらくVideo Display Co-Processorのはず。

 26万色中256色表示をサポートとか。VRAMが256KB載ってるようだが128KBはVDP直結として、残りの128KBは外付けパレットに使われるのだろうか…?時分割したら何色表示できるんだろうか?

 V9938テクニカルデータブックには、「カラーバス出力を利用し、外部にカラーパレット増設可」 とある。カラーバスは8ビットで通常はカラーコードを出力しており、VDP直結のデジタイズ時は入力ポートに、マウス(VDP直結バスマウス)使用時は上位4ビットが入力になる。
 カラーバス出力時のカラーコード出力や各ビットの内容は画面モードごとに異なる。
 通常、カラーバス出力時はVDPが外部カラーパレットにカラーコードを出力し、外部カラーパレットがカラーコードを受け取ってそのカラーコードに対応した色を出力…GRAPHIC7モードはカラーパレットを使わないのでそれ以外のモードを使ったときの機能と思われるが、26万色をどう対応させるのか…?
 ということはV99C37からもRGB出力が出るのか?ビデオエンコーダへはVDPが出力するRGB信号かそれともVCPが出力するRGB信号かを切り替えるかまたは合成する機能があるのかも…?

 なかなか興味深い内容。
 写真が少し残念…。

 CPU切替が手動というのはどうなのかと…起動後に切り替えても無効とかなのかな。←起動後のソフトウェアによるCPU切り替え機能も有効とのこと。
 R800モード時にZ80はバスが分離されて割込みや画像、音源制御のサブ処理に回ってくれるとかだったら夢があるが、さすがにそうはなってないだろうな。

 V99x8はCAS0,1,X端子にクロスバスイッチとかバンク切り替えマトリクス付けて、どこかにレジスタ設けて制御してやればVRAM間転送とか面倒なことせずにおもしろいことができそうと思ったり。実際の実現性は調べてないけど。コントロールにはカラーバスを使えればVDP内で完結するから楽なんだけど、カラーバスの出力時はカラーパレットへの出力しかできないから無理そうだ。VDPレジスタアクセスを検出して未使用レジスタ領域に割り当てとか、もしくはZ80のメモリ・I/O空間への割り当てが無難なんかな。

KEYWORD:VDP VCP V99C37 V9938 コプロ

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