カテゴリ: MSX

2021/04/11更新
 解析や音源カートリッジ拡張改造などのベース用に、SCC搭載カートリッジの回路図を図面化したので公開。

 なお、記載内容には間違いがある可能性があります。
 使用の際はご自分の責任下においておこなってください。

 回路図等ファイル:回路図REV.02(PDF)


●基板の種類と対応ゲーム名など
 今回回路図化した基板の形番と、対応するゲームの製品番号、ゲーム名は下記の通り。

PWB:350729
RC751 グラディウス2(NEMESIS 2)
RC752 F-1スピリット(F-1 SPIRIT)など

PWB:350788
RC758 沙羅蔓蛇(SALAMANDER)
RC760 王家の谷 エルギーザの封印(KING's VALLEY II)
RC769 クォース(QUARTH) など

PWB:351408
RC764 ゴーファーの野望 EPSODEII(NEMESIS 3) など

PWB:351952A
RC767 メタルギア2ソリッドスネーク(METAL GEAR2 SOLID SNAKE) など
 
PWB:351446
RA004 スナッチャー(SNATCHER)のSCCカートリッジ
RA011 SDスナッチャー(SD SNATCHER)のSCCカートリッジ(実物は持っていないが上記と同じと言われているので予測含む)

 基板の外形図は写真を参考に作成し、ノギス等で寸法測定したもので数値は正しいはずですが、ICの位置などは正確ではありません。

 基板 350729と350788の外形は同じです。また、351446と351952Aも外形は同じです。

●基板外形
 以下、基板外形写真。
 350729についてはROM無効化などの改造跡があり見苦しいので掲載無しです。


基板 350788の外形(FRONT面(部品面))
1Mb_PCB_FRONT_02


基板 350788の外形(BACK面(はんだ面))
1Mb_PCB_BACK_01

基板 351408の外形(FRONT面(部品面))
351408_FONT_01


基板 351408の外形(BACK面(はんだ面))
351408_BACK_01

基板 351952Aの外形(FRONT面(部品面))
351952A_FRONT_01


基板 351952Aの外形(BACK面(はんだ面))
351952A_BACK_01


基板 351446の外形(FRONT面(部品面))

RA004_FRONT01A

基板 351446の外形(BACK面(はんだ面))
RA004_BACK01A

R-2R方式 D/Aコンバーター 051650の内部
KONAMI_051650_FRONT_01S


KONAMI051650_BACK_01S

内部は印刷抵抗とチップセラミックコンデンサのみ
配線は裏面のみ




SCC_R-2R_03

ホームエンターなどで売ってる某液体に漬けると…
プラスチックモールドがデロンと剥ける。もちろん劇物等ではない


●その他不明点など
 SCC-I(2312P001)について、基板上では2,3,22,32番ピンがGNDに接続、15番ピンが未使用、63番ピンがVDDに接続となっています。ICを取り外して測定したところ、これらのうち2,3番ピンはどうやらVSSピンではないようです。また63番ピンもVDDではないようです。
 図にあるように1,22,32番ピンは確実に内部でVSSに接続されています。これらについては今後調べられたら図に反映していきたいと思います。

 SDスナッチャーの基板は351446と同一と思っていたのですが、画像検索すると352079という基板もあるようです。この辺の違いを調査したいところですが、おそらく入手できないので難しいかな…。

●改訂履歴
 2020年07月04日 新規公開 (図面ファイル Rev.00)
 2021年06月04日 R-2R D/Aコンバータ 051650の写真追加
 2022年01月17日 基板351952Aにて、搭載ROM容量を「1Mbit ROMx1+2Mbit ROM x1 もしくは4Mbit ROM x1 搭載可能」に修正
          R-2R D/Aコンバータ 051650の2-3番ピン間抵抗値間違い修正(Rev.02)

 三菱電機製  セパレートタイプ MSX2 ML-G30のキーボード基板の配線を追って回路図化したので公開する。回路の詳細はPDFを参照。

 FS-A1WXなどのテンキーと違い、「+」「*」「/」のキースキャン信号割当てが異なる。
 これらのキーはMSX2テクハンやMSX-Datapackではオプション扱いになっていて、各社で対応はまちまちの様子。

  ML-G30 :X0Y9=「+」 X1Y9=「/」 X2Y9=「*」
  FS-A1WX:X0Y9=「*」 X1Y9=「+」 X2Y9=「/」

 全く一致しないという…。

 MSXは基本的にVDPを除き、BIOSでのアクセスが推奨されるのでこの違いもBIOSで吸収するのかな…。
 どうせならRETURNキーも割り当てて欲しかった。まぁテンキー専用の信号を新設しなくても、従来の信号線から流用できるけど。
 もしくは、「-」と「+」キーの同時押しを数ミリ秒間監視して、一緒に押されていたら判定するなどの常駐ソフトを使ってRETURN(ENTER)相当の機能を実現できるかもしれない。


ML-G30のキーボード回路図
ML-G30_KEYBOARD_V00_PG01

ML-G30_KEYBOARD_V00_PG02

●その他
 パイオニアのMSX palcom PX-V60のキーボードには「SUPERIMPOSE」、「VIDEO」、「COMPUTER」、などのキーがあった。これらがどのようなキースキャン信号に割り当てられていたか興味あるところ。
 数十年前に秋葉原の千石電商だと思ったが、palcomキーボードの新古品が大量に出回ったときに購入し、FS-A1Fに繋いだ(MSXマガジンでも同様の記事があったような…)。
 その時にこれらのキーはパターンカットで機能を停止してしまったので、今後時間が出来たら調べてみる予定。

●更新履歴
 ・2020年6月2日 回路図 Rev.00を公開

●不具合情報
 Rev.00 記載間違い等(計4箇所)
  ・キーボードケーブル コネクタ
    誤:「KKEYBOARD CABLE CONNECTOR」
    正:「KEYBOARD CABLE CONNECTOR」
  ・キースキャン信号X7がY系のバス接続系統に記載されている
  ・図面ページ数 トータルページ記載間違い修正(計2箇所)

  これらは次回改訂時に修正予定。

 2021年04月21日 言い回しを少し修正

 MSX2の主に低価格機種以降で多く搭載されたハイブリッドIC(HIC)、ミツミ製「EMC-NX0039」の回路図をアップする。

 このHICの機能は下記の通り。

 ・RGB-NTSCエンコード(CXA1145M)
 ・音声出力アンプ(PSG3ch+1ビットサウンドポート+スロット1,2の音声入力をMIX)
 ・外部音声入力を上記回路でMIX(未使用)
 ・リセットミュート・ポーズミュート
 ・カセットインターフェイス(CMT)入出力アンプ、リレー制御

 このHICはSONYとPanasonicの下記機種で採用事例がある。

・SONY
HB-F7 ?(未確認)
HB-F1II
HB-F1XD
HB-F1XDmk2
HB-F1XDJ
HB-F1XV

・Panasonic
FS-A1MKII(FS-A1MK2)
FS-A1F

・Kawai
KMC-5000(Panasonic FS-A1F OEM)

 細かい点だが、SONYとPanasonicでは各社内での発注部品番号が異なることから、HICの左上に下記のようなシルク記載がある。

SONY Parts No.:1-464-877-11
Panasonic Parts No.:DAMCNX0039XT

 回路図詳細は下記回路図画像をクリックしてPDFを参照のこと。
 なおソニーのHB-F1XDサービスマニュアルにもこのHICの内部回路が記載されているが、今回作成した回路図では下記の点が異なる。

 1) 電源、GND取り回しの0Ω抵抗(ジャンパー代わりとして使用されている)も掲載
 2) HIC_C26が穴挿入部品を表面実装したものと表面実装部品(SMD)に変更されているものの記載。これについては後述する。
 3) 先のサービマニュアルと実際のHICとではHIC_R19とHIC_C14の接続位置関係に違いがみられる点

EMC-NX0039
SONY向け版
後日、高解像度版をアップ予定
DAMCNX0039XT_Pana_01
Panasonic向け版



ミツミ製「EMC-NX0039」 回路図Rev.01
MITSUMI EMC-NX0039_REV02

※間違い等を見かけたらコメント等で通知していただけると助かります。

 このHICはバージョン違いでC26が穴挿入部品を表面実装したものと、設計変更が入りC26用の表面実装パッドを設けて表面実装部品搭載となったものがある。下記画像の黄色で囲った部分が異なり、違いを見分けることができる。
DAMCNX0039XT_COMP02
 また実装されている電解コンデンサ(ケミコン)は10uFが2つ、100uFが1つあり、それぞれ液漏れを起こす事が知られている。 
 上の画像は電解コンデンサ3つをタンタルコンデンサに交換し、今後二度と液漏れしないようにした後のもの。
 タンタルコンデンサの故障モードは短絡なので、できればヒューズ内蔵タイプを使うのが望ましい。
 気化した電解コンデンサの電解液のせいか、ICの捺印が消えてしまったため画像編集で文字を記載している。

 2020年06月21日追記
  前述のようにソニー向けとパナソニック向けではHICのシルク表記が異なることを記載していたが、HIC_R32,HIC_R33はソニー製品向けでは220kΩ、パナソニック製品向けでは150kΩであることがわかった。これらは各スロットからのサウンド出力をMIXする際の抵抗。
 両者製品ではサウンドの出力レベルが異なると言われているが、それに関連しているものとみられる。
 まだ回路図はこのことが記載されていないのでご注意。
 さらにQ4の2番ピンはA_GNDではなくD_GNDへ接続されている。
 これらは次回の回路図改訂で記載予定。


更新履歴
2020年04月19日 PDF Rev.01 新規作成(ブログアップロードは5/19)
2020年05月21日 PDF Rev.02 ページ追加し忘れていた部品配置図を2ページ目に挿入
2020年06月03日 PDF Rev.02(変更無し) ブログ内容追加 HB-F7にも採用されているかもしれない(ただし未確認)ため、念のため記載とHIC画像差し替え、電解コンデンサ液漏れについて記載。
2020年06月03日 PDF Rev.02(変更無し) ブログ内容追加 HIC_R32,HIC_R33の抵抗値がパナソニック向けとソニー向けでは異なる件

 こっちのブログは3年ぶりの更新…

 検索すれば似非RAMDISKが流行った頃の回路図が出てくるかも知れないんだけど…MSXのメガROMカートリッジ基板「TAS-4M-008M」の回路図を作成したのでアップ。
 ゲームカートリッジは、T&ESOFTの「ハイドライド・3」。

 元回路がどうなっているのか把握するために作成。
 詳細は回路図画像をクリックしてPDFをダウンロードして参照のこと。

メガROMカートリッジ基板 「TAS-4M-008M」の回路図 Rev.01
TAS-4M-008M PCB_01_PIC
※間違い等を見かけたらコメント等で通知していただけると助かります。

 三洋電機製プリンタ一体型MSX2 PHC-77(WAVY77)の回路図等解析結果を公開する。

 暫定公開のため、まだ抜けているところやおかしいところ、解析した結果で疑問点などもある。おそらく勘違いもあるものとみられる。

 例によってこの解析結果は無保証なので注意。
 今後も修正しレビジョンアップしていく予定。
 パーツリストが作成されていないので今後追加予定。

 一番の疑問点、SLOT BにはなぜかSLT3-1の拡張スロットが割り当てられている。これではSLOT Bに拡張スロットを接続できないのではないかと…?
 MSX-WRITE搭載などでどうしても基本スロットを接続することが出来なかったのか…?

 内蔵ソフト(MSX-WRITE初代)のON/OFFスイッチ回路は、内蔵ソフトが動いている状態で切り替えると暴走するのではないかと思われる怖い回路になっていた。

 スロットのカートリッジ検出回路は、このままでは短絡になるのではないかと思われる回路になっている。電源が心配。

 プリンター基板にもZ80が搭載されているので、プリンター基板のZ80をサブCPUに使うなどの改造や、プリンターポートのデータバス双方向化、外部からのプリンターデータ入力ポート増設も考えられる…が、CPUパワーが貧弱なので、今となっては別のCPU積んだ方が有用かな?

 FDCはFD179x系の富士通製MB8877Aを搭載。このFDCはSONYなどが主に採用していたが、Nationalブランド時の松下製MSXでも使われていた気がする。その後、PanasonicブランドではNECのuPD765系FDC(東芝のTC8566もuPD765系)に移行した。
 三洋はずっとFD179x系を使っていた様子。


●回路図(Circuit Schematic)
 ・SANYO MSX2 PHC-77 Schematic (PDF) Rev.02 暫定公開板

イメージ 1
各基板ごとの回路図 画像は縮小表示例で、詳細はPDFを参照
イメージ 2
基板外形図・部品配置図 画像は縮小表示例で、詳細はPDFを参照

イメージ 3
三菱電機製ゲートアレイ M60011-0109FP

イメージ 5
文字が消えかかっているが、S1985 MSX-SYSTEM II

イメージ 6
V9938 Ver.C

イメージ 4
MSX-WRITEが入っていると思われるMN234001TTA
プリンター基板側に実装されている

 汎用入出力ポート(ジョイスティックポート)1,2はそれぞれいくつかの線が断線していた。基板側のコネクタはネジ留めされていないので、挿抜時の応力は全てはんだ付け部分やその周辺にかかり、繰り返されることで断線したものとみられる。おそらくこの解析をしないと気づかないままだっただろう。

イメージ 7
赤い矢印の部分がジョイスティックポートのはんだ付け部周辺の断線箇所

 この基板のIC/LSI周辺はダミーパターンが多くある。三洋の設計品の特徴なのか…?多くは未使用端子のものだが、一部は使用している端子でも並列でダミーパターンが伸びているものがみられた。クロストーク防止などでGNDに平行してこういった例はみられるが、大して高速バスでもない普通の信号線では珍しい気がする。

イメージ 8
ダミーパターンの例


 参考資料として、下記リンク先にはMSXのカタログが多数掲載されている。
 高解像度の画像や全ページあるとなおいいんだけれど…



 手持ちの書類等は高解像度スキャンしてどこかにアップロードしたい。
 でも時間がなかなか…。

・2017年04月11日 メモ追記(以下)
 FDDの形番号が間違っていたので次回修正予定(→Rev.02で修正済みおよびFDDのラベル考察記載)。
 FDDの形名は意図的に表示されていない様子(東芝のFDDは、ND-xxxxというのがある)

・2020年08月04日 メモ追記(以下)
 IC401,IC402の8番ピン(GND)が「16」と間違って記載されている。次回の改訂で修正予定。

KEYWORD:MSX2 三洋 SANYO PHC-77 WAVY77 プリンタ一体型 基板 PCB 回路図 Schematic V9938 MSX-SYSTEMII S1985 MITSUBISHI GATE ARRAY S60012 637101 M60011-0109FP

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