こっちのブログは3年ぶりの更新…

 検索すれば似非RAMDISKが流行った頃の回路図が出てくるかも知れないんだけど…MSXのメガROMカートリッジ基板「TAS-4M-008M」の回路図を作成したのでアップ。
 ゲームカートリッジは、T&ESOFTの「ハイドライド・3」。

 元回路がどうなっているのか把握するために作成。
 詳細は回路図画像をクリックしてPDFをダウンロードして参照のこと。

メガROMカートリッジ基板 「TAS-4M-008M」の回路図 Rev.01
TAS-4M-008M PCB_01_PIC
※間違い等を見かけたらコメント等で通知していただけると助かります。

●TMS9228,TMS9229
 DATASHEET ARCHIVEにてVDPを検索していたところ、たまたまTMS9228,9229 Advanced Video Display Processor(AVDP)というものがみつかった。
 各社のVDPの製品化や開発状況をまとめられている「Classic 8-bit/16-bit Topics」の VDPの系譜にも載っていない。ただし上記にはTMS9938にAVDPとの記載がある。一方、DATASHEET ARCHIVEにてTMS9938を検索しても資料はヒットせず…。

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 TMS9228,9229はTMS9938やV9978のように未発売のものなのか…?

 機能としては、音源としてDCSG内蔵(TIのSN76489相当)、最大64KBのVRAM、DMA対応、フルビットマップモードとしてGraphics Vモード 256 x 210ドット、NAPLPS(VIDEOTEX)対応、水平・垂直方向の1ビット毎のスクロール機能、などとなっている。
 TMS9229は映像出力をPALにしたもの。

●TMS3556NL
 VDPに関連して…TIからはTMS3556NLというVDPも出ていたらしい。Rolandのサンプラー/シンセ S-50やS-330、S-550に搭載されている。
 どんなVDPだったんだろう…?

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 同サービスマニュアルの記載によると、クロック入力はTMS9918Aの14.31818MHzと違い14.3496MHzで駆動、画像はRGB出力、テキストモードとグラフィックモードあり、テキストのPCG表示は41x21キャラクター表示、グラフィックモードは320x210ドット、RGB各1ビットが1ドットに対応するビットマップのパックドピクセル構成、40ピンDIP、+3Vと+5Vの2電源入力、S-550で接続されているDRAMはTMS4464 x2=16KB、TMS9918Aなどとはピン互換性はない様子。
 なお、S-550 サービスマニュアル中のTMS3556NLピンアサイン表、LSIトップビュー表示ピンアサイン図と回路図で比較すると異なる点がみられたので以下にメモ的に記載。ピンアサイン表が正しいとすると、

・回路図中のVDP 11番ピンがWR#(WA#?)となっているが、正しくはRWM#とみられる。
・ピンアサイン表とトップビューの表にあるMP0~MP7(CPU-VDP データバス)が回路図ではD7~D0と表示されている。同様にピンアサイン表とトップビューの表にあるD0~D7(VDP-VRAM データバス)が、回路図ではMP0~MP7と表示されている。回路図上の接続図としては間違っていないが、LSIの資料としては逆に表示されているので紛らわしい。
・回路図ではMP0~MP7のピン番号に対するデータバスの割り当てが異なるが、TIの資料はビッグエンディアンになっているため、リトルエンディアン表記に直しているものとみられる。
・S-330のサービスマニュアルではREADY信号は負論理で書かれている。

 ウィキペディア内でTMS3556を検索すると、TMS3556は「composite video to the data slicer」と記載されている。
 Roland S-750,S-760では、ブロック図こそIC3 VDPと記載されているが、画像表示チップはリコーのRF5C16Aに置き換えられてしまったようだ。

 三洋電機製プリンタ一体型MSX2 PHC-77(WAVY77)の回路図等解析結果を公開する。

 暫定公開のため、まだ抜けているところやおかしいところ、解析した結果で疑問点などもある。おそらく勘違いもあるものとみられる。

 例によってこの解析結果は無保証なので注意。
 今後も修正しレビジョンアップしていく予定。
 パーツリストが作成されていないので今後追加予定。

 一番の疑問点、SLOT BにはなぜかSLT3-1の拡張スロットが割り当てられている。これではSLOT Bに拡張スロットを接続できないのではないかと…?
 MSX-WRITE搭載などでどうしても基本スロットを接続することが出来なかったのか…?

 内蔵ソフト(MSX-WRITE初代)のON/OFFスイッチ回路は、内蔵ソフトが動いている状態で切り替えると暴走するのではないかと思われる怖い回路になっていた。

 スロットのカートリッジ検出回路は、このままでは短絡になるのではないかと思われる回路になっている。電源が心配。

 プリンター基板にもZ80が搭載されているので、プリンター基板のZ80をサブCPUに使うなどの改造や、プリンターポートのデータバス双方向化、外部からのプリンターデータ入力ポート増設も考えられる…が、CPUパワーが貧弱なので、今となっては別のCPU積んだ方が有用かな?

 FDCはFD179x系の富士通製MB8877Aを搭載。このFDCはSONYなどが主に採用していたが、Nationalブランド時の松下製MSXでも使われていた気がする。その後、PanasonicブランドではNECのuPD765系FDC(東芝のTC8566もuPD765系)に移行した。
 三洋はずっとFD179x系を使っていた様子。


●回路図(Circuit Schematic)
 ・SANYO MSX2 PHC-77 Schematic (PDF) Rev.02 暫定公開板

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各基板ごとの回路図 画像は縮小表示例で、詳細はPDFを参照
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基板外形図・部品配置図 画像は縮小表示例で、詳細はPDFを参照

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三菱電機製ゲートアレイ M60011-0109FP

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文字が消えかかっているが、S1985 MSX-SYSTEM II

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V9938 Ver.C

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MSX-WRITEが入っていると思われるMN234001TTA
プリンター基板側に実装されている

 汎用入出力ポート(ジョイスティックポート)1,2はそれぞれいくつかの線が断線していた。基板側のコネクタはネジ留めされていないので、挿抜時の応力は全てはんだ付け部分やその周辺にかかり、繰り返されることで断線したものとみられる。おそらくこの解析をしないと気づかないままだっただろう。

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赤い矢印の部分がジョイスティックポートのはんだ付け部周辺の断線箇所

 この基板のIC/LSI周辺はダミーパターンが多くある。三洋の設計品の特徴なのか…?多くは未使用端子のものだが、一部は使用している端子でも並列でダミーパターンが伸びているものがみられた。クロストーク防止などでGNDに平行してこういった例はみられるが、大して高速バスでもない普通の信号線では珍しい気がする。

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ダミーパターンの例


 参考資料として、下記リンク先にはMSXのカタログが多数掲載されている。
 高解像度の画像や全ページあるとなおいいんだけれど…



 手持ちの書類等は高解像度スキャンしてどこかにアップロードしたい。
 でも時間がなかなか…。

・2017年04月11日 メモ追記(以下)
 FDDの形番号が間違っていたので次回修正予定(→Rev.02で修正済みおよびFDDのラベル考察記載)。
 FDDの形名は意図的に表示されていない様子(東芝のFDDは、ND-xxxxというのがある)

・2020年08月04日 メモ追記(以下)
 IC401,IC402の8番ピン(GND)が「16」と間違って記載されている。次回の改訂で修正予定。

KEYWORD:MSX2 三洋 SANYO PHC-77 WAVY77 プリンタ一体型 基板 PCB 回路図 Schematic V9938 MSX-SYSTEMII S1985 MITSUBISHI GATE ARRAY S60012 637101 M60011-0109FP

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