●TMS9228,TMS9229
 DATASHEET ARCHIVEにてVDPを検索していたところ、たまたまTMS9228,9229 Advanced Video Display Processor(AVDP)というものがみつかった。
 各社のVDPの製品化や開発状況をまとめられている「Classic 8-bit/16-bit Topics」の VDPの系譜にも載っていない。ただし上記にはTMS9938にAVDPとの記載がある。一方、DATASHEET ARCHIVEにてTMS9938を検索しても資料はヒットせず…。

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 TMS9228,9229はTMS9938やV9978のように未発売のものなのか…?

 機能としては、音源としてDCSG内蔵(TIのSN76489相当)、最大64KBのVRAM、DMA対応、フルビットマップモードとしてGraphics Vモード 256 x 210ドット、NAPLPS(VIDEOTEX)対応、水平・垂直方向の1ビット毎のスクロール機能、などとなっている。
 TMS9229は映像出力をPALにしたもの。

●TMS3556NL
 VDPに関連して…TIからはTMS3556NLというVDPも出ていたらしい。Rolandのサンプラー/シンセ S-50やS-330、S-550に搭載されている。
 どんなVDPだったんだろう…?

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 同サービスマニュアルの記載によると、クロック入力はTMS9918Aの14.31818MHzと違い14.3496MHzで駆動、画像はRGB出力、テキストモードとグラフィックモードあり、テキストのPCG表示は41x21キャラクター表示、グラフィックモードは320x210ドット、RGB各1ビットが1ドットに対応するビットマップのパックドピクセル構成、40ピンDIP、+3Vと+5Vの2電源入力、S-550で接続されているDRAMはTMS4464 x2=16KB、TMS9918Aなどとはピン互換性はない様子。
 なお、S-550 サービスマニュアル中のTMS3556NLピンアサイン表、LSIトップビュー表示ピンアサイン図と回路図で比較すると異なる点がみられたので以下にメモ的に記載。ピンアサイン表が正しいとすると、

・回路図中のVDP 11番ピンがWR#(WA#?)となっているが、正しくはRWM#とみられる。
・ピンアサイン表とトップビューの表にあるMP0~MP7(CPU-VDP データバス)が回路図ではD7~D0と表示されている。同様にピンアサイン表とトップビューの表にあるD0~D7(VDP-VRAM データバス)が、回路図ではMP0~MP7と表示されている。回路図上の接続図としては間違っていないが、LSIの資料としては逆に表示されているので紛らわしい。
・回路図ではMP0~MP7のピン番号に対するデータバスの割り当てが異なるが、TIの資料はビッグエンディアンになっているため、リトルエンディアン表記に直しているものとみられる。
・S-330のサービスマニュアルではREADY信号は負論理で書かれている。

 ウィキペディア内でTMS3556を検索すると、TMS3556は「composite video to the data slicer」と記載されている。
 Roland S-750,S-760では、ブロック図こそIC3 VDPと記載されているが、画像表示チップはリコーのRF5C16Aに置き換えられてしまったようだ。