MSX2の主に低価格機種以降で多く搭載されたハイブリッドIC(HIC)、ミツミ製「EMC-NX0039」の回路図をアップする。

 このHICの機能は下記の通り。

 ・RGB-NTSCエンコード(CXA1145M)
 ・音声出力アンプ(PSG3ch+1ビットサウンドポート+スロット1,2の音声入力をMIX)
 ・外部音声入力を上記回路でMIX(未使用)
 ・リセットミュート・ポーズミュート
 ・カセットインターフェイス(CMT)入出力アンプ、リレー制御

 このHICはSONYとPanasonicの下記機種で採用事例がある。

・SONY
HB-F7 ?(未確認)
HB-F1II
HB-F1XD
HB-F1XDmk2
HB-F1XDJ
HB-F1XV

・Panasonic
FS-A1MKII(FS-A1MK2)
FS-A1F

・Kawai
KMC-5000(Panasonic FS-A1F OEM)

 細かい点だが、SONYとPanasonicでは各社内での発注部品番号が異なることから、HICの左上に下記のようなシルク記載がある。

SONY Parts No.:1-464-877-11
Panasonic Parts No.:DAMCNX0039XT

 回路図詳細は下記回路図画像をクリックしてPDFを参照のこと。
 なおソニーのHB-F1XDサービスマニュアルにもこのHICの内部回路が記載されているが、今回作成した回路図では下記の点が異なる。

 1) 電源、GND取り回しの0Ω抵抗(ジャンパー代わりとして使用されている)も掲載
 2) HIC_C26が穴挿入部品を表面実装したものと表面実装部品(SMD)に変更されているものの記載。これについては後述する。
 3) 先のサービマニュアルと実際のHICとではHIC_R19とHIC_C14の接続位置関係に違いがみられる点

EMC-NX0039
SONY向け版
後日、高解像度版をアップ予定
DAMCNX0039XT_Pana_01
Panasonic向け版



ミツミ製「EMC-NX0039」 回路図Rev.01
MITSUMI EMC-NX0039_REV02

※間違い等を見かけたらコメント等で通知していただけると助かります。

 このHICはバージョン違いでC26が穴挿入部品を表面実装したものと、設計変更が入りC26用の表面実装パッドを設けて表面実装部品搭載となったものがある。下記画像の黄色で囲った部分が異なり、違いを見分けることができる。
DAMCNX0039XT_COMP02
 また実装されている電解コンデンサ(ケミコン)は10uF 2つ、100uF 1つあり、それぞれ漏れを起こす事が知られている。 
 上の画像は電解コンデンサ3つを今後二度と液漏れしないようにタンタルコンデンサに交換した後のもの。
 タンタルコンデンサの故障モードは短絡なので、できればタンタルコンデンサはヒューズ内蔵タイプを使うのが望ましい。
 電解コンデンサの気化した電解液のせいか、ICの捺印が消えてしまったため画像編集で文字を記載している。

 2020年06月21日追記
  前述のようにソニー向けとパナソニック向けではHICのシルク表記が異なることを記載していたが、HIC_R32,HIC_R33はソニー製品向けでは220kΩ、パナソニック製品向けでは150kΩであることがわかった。これらは各スロットからのサウンド出力をMIXする際の抵抗。
 両者製品ではサウンドの出力レベルが異なると言われているが、それに関連しているとみられる。
 まだ回路図はこのことが記載されていないのでご注意。
 さらにQ4の2番ピンはA_GNDではなくD_GNDへ接続されている。
 これらは次回の回路図改訂で記載予定。


更新履歴
2020年04月19日 PDF Rev.01 新規作成(ブログアップロードは5/19)
2020年05月21日 PDF Rev.02 ページ追加し忘れていた部品配置図を2ページ目に挿入
2020年06月03日 PDF Rev.02(変更無し) ブログ内容追加 HB-F7にも採用されているかもしれない(ただし未確認)ため、念のため記載とHIC画像差し替え、電解コンデンサ液漏れについて記載。
2020年06月03日 PDF Rev.02(変更無し) ブログ内容追加 HIC_R32,HIC_R33の抵抗値がパナソニック向けとソニー向けでは異なる件

 こっちのブログは3年ぶりの更新…

 検索すれば似非RAMDISKが流行った頃の回路図が出てくるかも知れないんだけど…MSXのメガROMカートリッジ基板「TAS-4M-008M」の回路図を作成したのでアップ。
 ゲームカートリッジは、T&ESOFTの「ハイドライド・3」。

 元回路がどうなっているのか把握するために作成。
 詳細は回路図画像をクリックしてPDFをダウンロードして参照のこと。

メガROMカートリッジ基板 「TAS-4M-008M」の回路図 Rev.01
TAS-4M-008M PCB_01_PIC
※間違い等を見かけたらコメント等で通知していただけると助かります。

●TMS9228,TMS9229
 DATASHEET ARCHIVEにてVDPを検索していたところ、たまたまTMS9228,9229 Advanced Video Display Processor(AVDP)というものがみつかった。
 各社のVDPの製品化や開発状況をまとめられている「Classic 8-bit/16-bit Topics」の VDPの系譜にも載っていない。ただし上記にはTMS9938にAVDPとの記載がある。一方、DATASHEET ARCHIVEにてTMS9938を検索しても資料はヒットせず…。

イメージ 1

 TMS9228,9229はTMS9938やV9978のように未発売のものなのか…?

 機能としては、音源としてDCSG内蔵(TIのSN76489相当)、最大64KBのVRAM、DMA対応、フルビットマップモードとしてGraphics Vモード 256 x 210ドット、NAPLPS(VIDEOTEX)対応、水平・垂直方向の1ビット毎のスクロール機能、などとなっている。
 TMS9229は映像出力をPALにしたもの。

●TMS3556NL
 VDPに関連して…TIからはTMS3556NLというVDPも出ていたらしい。Rolandのサンプラー/シンセ S-50やS-330、S-550に搭載されている。
 どんなVDPだったんだろう…?

イメージ 2

 同サービスマニュアルの記載によると、クロック入力はTMS9918Aの14.31818MHzと違い14.3496MHzで駆動、画像はRGB出力、テキストモードとグラフィックモードあり、テキストのPCG表示は41x21キャラクター表示、グラフィックモードは320x210ドット、RGB各1ビットが1ドットに対応するビットマップのパックドピクセル構成、40ピンDIP、+3Vと+5Vの2電源入力、S-550で接続されているDRAMはTMS4464 x2=16KB、TMS9918Aなどとはピン互換性はない様子。
 なお、S-550 サービスマニュアル中のTMS3556NLピンアサイン表、LSIトップビュー表示ピンアサイン図と回路図で比較すると異なる点がみられたので以下にメモ的に記載。ピンアサイン表が正しいとすると、

・回路図中のVDP 11番ピンがWR#(WA#?)となっているが、正しくはRWM#とみられる。
・ピンアサイン表とトップビューの表にあるMP0~MP7(CPU-VDP データバス)が回路図ではD7~D0と表示されている。同様にピンアサイン表とトップビューの表にあるD0~D7(VDP-VRAM データバス)が、回路図ではMP0~MP7と表示されている。回路図上の接続図としては間違っていないが、LSIの資料としては逆に表示されているので紛らわしい。
・回路図ではMP0~MP7のピン番号に対するデータバスの割り当てが異なるが、TIの資料はビッグエンディアンになっているため、リトルエンディアン表記に直しているものとみられる。
・S-330のサービスマニュアルではREADY信号は負論理で書かれている。

 ウィキペディア内でTMS3556を検索すると、TMS3556は「composite video to the data slicer」と記載されている。
 Roland S-750,S-760では、ブロック図こそIC3 VDPと記載されているが、画像表示チップはリコーのRF5C16Aに置き換えられてしまったようだ。

↑このページのトップヘ